Leica M8というカメラを1年使って
しみったれた色の確かにライカ
あけましておめでとうございます(Leica M8 + Summicron 50mm 2.0)
年末の怒涛のブログ更新や有明オタク祭りで発行されたカメラ情報を目の当たりにするとコタツに猫にみかんで無為に時間を消費している自分がひどく哀れに思えたので、ここに困ったライカM8の使用感について認めようと思う。
雪とメトロ(Leica M8 + Summicron 50mm 2.0)
一年ちょいで割と持ち出した方だとは思う。
ライカとしてのガワにはやっぱり良さがあるし、当たると強い画が撮れる。
しかし、はっきり言ってしまうと使いにくい。
高感度はダメダメだしシャッター音は爆音。センサーはフルサイズじゃなし電池もSDも表示はバグる。
雪とリュクサンブール公園(Leica M8 + Elmarit 28mm 2.8)
「とりあえず旅行に」とか「とりあえず」に持ち出せる気楽さは微塵もなく、「よーし…今日はこいつを使ってやるか…はぁ…」と重い腰を上げて前日から身体を作ってベッドでうなされてから撮影に出かけるタイプのそれである。
撮れる写真もパッとしない写真が7割で打率はせいぜいカラーで.280、モノクロでも.300ぐらいだろうか。
野球選手なら十分スタメンだがカメラではベンチか2軍である。
しかしそんな仕打ちを受けてもなお持ち出したくなる魅力があるのは確かで、たまに当たった時の感動は現代的ライカの魅力そのもの。
モスクと少女(Leica M8 + Elmarit 28mm 2.8)
CCD特有のしみったれた色合いの中には繊細なグラデーションがあり、アンダー方面にはライカ特有の黒つぶれしない階調の豊かさが感じられる。
パリ動物園(Leica M8 + Summicron 50mm 2.0)
モスクの壁(Leica M8 + Elmarit 28mm 2.8)
うーんいい色。
彩度をイジってもM9系の色にはならずしみったれたまま彩度が上がっていく感じは嫌いではない。
イスラムの細密画もしっかり解像しているしAPS-Hでもレンズの特性は出せているのではないだろうか。
夕暮れのブリュッセル(Leica M8 + Elmarit 28mm 2.8)
黒の中に石畳みがちゃんと描写されている。
流石の階調表現だ。
この写りを見ると「お前はちゃんとライカだったんだな…」という謎の感動が湧いてくる。
パリの団地(Leica M8 + Elmarit 28mm 2.8)
これぞ The M8 of M8 という写り。
しみったれ中のしみったれでここまで華やかさの無い写真も中々無いのではないだろうか。
気だるいパリ南部の団地の空気を処理できるセンサーはさすがKodakCCD。
この場所の埃っぽい貧乏臭さまで臭ってきそうな写真は大好きだ。
雪の商店街(Leica M8 + ESummicron 50mm 2.0)
何度も言っているがこのカメラの良さは「しみったれ」である。
M9の派手さもTyp240の堅実さもM10の完璧さももちろん無い。
1年使ってなんとか動いてはいるがいつ絶命するか分かったもんじゃないし、このカメラだけに頼るのは絶対に無理である。
メインカメラするのは絶対にやめたほうがいい。
使いにくいし動きは怪しいしで絶対に他人には勧めない。
勧めないが、自分だけでこのフェティッシュなカメラを楽しむのはいささか不健康な趣味のような気がしてきたので今回の記事を書くことにした。
次はM10とかそういう派手な記事を上げたいなあ。
本年もよろしくおねがいします。