眼鏡付き Summaron 35mm 3.5 を買った話
かっこいいね
半年前に買った。わざわざ眼鏡付きを買った。
これは50mmフレームしか無いM3で無理やり35mmレンズで撮影をするための特殊なレンズだ。
もちろん眼鏡無しだってある。
手元には35mmフレームの出るライカだってあるんだから眼鏡を付ける意味は全く無い。
というかむしろ壊れやすいズレやすい眼鏡付きはデメリットこそあれメリットは特に無い。
ではなぜか。
それはロマンである。
むっちゃかっこいい…
今回もebayでいつもお世話になっているイタリア人出品者から買った。
個人コレクションをやりくりしている感がよく出ている出品ラインナップに謎の安心感を感じていつも彼から買ってしまう。
そうだよなあ…ほしいレンズあったら今の資産からやりくりするよなあ…わかるわかる…っていう感じ。
彼はこのF3.5のズマロンと一緒にF2.8のズマロンも出品していたのだが、私はあえてF3.5の古いタイプを選んだ。
一般的にはF2.8の方は無限ロックの付いた愛好家が多い銘玉である。もちろん眼鏡付きも存在している。
ではなぜか。
それもロマンである。
F2.8の眼鏡部分は基本的にはF3.5と同じではあるが、中央部分に「E.LEITZ WETZLAR」の刻印が無いのだ。
写りを捨てて見た目を取るという本末転倒も甚だしい話であるが、こればかりはそういう病気なので仕方がない。
うひょーかっこいい
到着して軽く清掃。状態はいつも通り良い。が、
覚悟はしていたが、整備品ではないので眼鏡部分がちょいズレていて二重像が完全には一致しない。
バラして自分で直そうかとも思ったが、眼鏡部分のガラスが割れやすいらしく素人仕事では後悔するのが目に見えていたのでやめた。
ズレといってもわずかに二重像が上にズレているだけなので大した問題ではない。
そもそもレンジファインダーカメラの広角レンズで厳密なピント合わせなんて必要ないしね。
佇まいは最高にかっこいい。これぞロマンの塊じゃないか。
フードにライカメーターまで載せてメカメカしさの化身と化したこいつをぶら下げてるとそれだけで顔がほころんでしまう。
カメラ、特にフィルムカメラなんて自己満足の世界なんだからこれでいいんですよ(自分に言い聞かせる)
実写
渋い…なんとも渋くていい写りじゃないか…
この白黒の階調を見ると買ってよかったと実感できた。
眼鏡のズレによるピント外しなどは無く全く問題なかった。
黒の中のまた別の黒が写るっていうのは本当に気持ちのいいものなんだなあと思える。
ライカの35mmといえば6枚玉、8枚玉や初代ズミルックスなんて派手なメンツだらけの中、いささか控えめなズマロンだけども、"普通に"めちゃくちゃいいレンズなんじゃないだろうか。
使い勝手を考えれば眼鏡無しなんだろうが、ここはロマンたっぷりの眼鏡付きを一考してみてはいかがだろうか。