にゃんぶろ

備忘録代わりに色々書きます

Elmar 50mm 3.5 vs Summicron 50mm 2.0

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どっちのライツショー

 

 

センセーショナルなタイトルで皆様のハートはすでにこの記事に釘付けになっていることは想像に難くない。

きのこたけのこ戦争並みに刺激的なバトルだ。

よし、いつもの記事の2倍はビュー数があるだろう。やったぜ。

 

だがライカを代表する2大レンズである。

うーん、レンズデカいからズミクロンの勝ち!w

なんて言おうもんなら各方面から燃やされるのがオチだ。

この世界は怖いんだ。私は知ってる。

今日だってヤフオクで100万円以上の入札のしあいを目の当たりにしたところだ。

カメラに取り憑かれたものたちは生活と命を削りながら無限の物欲と戦う運命にあるのだ。

 

流石に100万を競り合う天上人と比べれば私の買い物なんて可愛いものだが、最近物欲を制御できていないなというのは切に感じている。

今週はしきりに二眼レフのページを見ている。欲しい。

 

 

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「どれか一つだけ持って旅に行けと言われたらどうするか」

 

そもそも重いし充電器やらなんやら持ち運ぶのが億劫だからそのシンプルさに惹かれて始めたフィルムカメラだ。

最近でこそ物欲に負けアホみたいにレンジファインダーに一眼に中判にと鞄に詰め始めたが、元々はシンプルイズベストがモットーである。

 

カメラ本体は間違いなくM3を選ぶ。ライカメーターを付けて。

旅とライカの親和性は間違いなく高い。これほどシンプルで軽くて小さくて強いやつはいない。

人間露出計マンはバルナックでもいいかもしれない。懐からスッとDIIあたりを取り出してサッと撮ってフッと去っていくなんてかっこいいなんてレベルじゃない。

あまりのかっこよさについ抱かれてしまうかもしれない。

 

だがレンズとなるとどうだろう。

私は50mm教徒なのでElmaritやらSummaronは外れる。

8枚玉やSummilux 35mmでも買えばコロッと改宗するかもしれない。

 

Summaritは悪くない。現にライカデビューから1年間はこいつだけでやってきたし特に不満も無かった。でも絶望的に重い。あと柔い。

 

ここでタイトル回収であるが、Elmar 50mm 3.5 vs Summicron 50mm 2.0 勃発である。

 

本当にこの2本は最強だ。心の底から買ってよかったと思えたのはこの2本だけ。

そりゃあそうだ。今まで名だたる写真家からカメラオタクまで皆が認めた銘玉である。

悪い訳がない。

では見比べてみよう。

 

 

Elmar 50mm 3.5

 

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こういうのでいいんだよこういうので。

自分で言うのも何だが実にフィルムらしい良い写真である。 

この表現はあまり好きではないが ”雰囲気のある” 写真ってやつ。

テッサー型なので細部までビシっと写しつつも雰囲気という名の曖昧さを消さずに残してくれるのが実にニクい。

旅の思い出を何割増しにもしてキレイなまま残してくれる。実際行ってみるとこんなに綺麗なわけではないのよ。

実際こういう写真が撮りたくてフィルム始めたわけだし、ある意味理想のレンズではなかろうか。

見た目もメカメカしくて男の子心をくすぐってくれる。

戦前ドイツのハイテクの粋だなんてロマンの塊じゃないか。

 

 

Summicron 50mm 2.0

 

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こんなボケ見たことがない。

ウン十万のレンズをぽこぽこ買っている人たちは普段からこんなボケを独り占めしているのか。ずるいなあ。

少なくとも私の持っているレンズでこんなに綺麗なボケを出せるレンズはない。

それにこの写りは私がライカの写真に感じる良さそのもの。

表現は悪いかもしれないが被写体が合成みたいに浮き上がりボケの上に乗ってる感じ。本当にウソみたいに浮き上がる。

開放も2.0なので室内でも夜でもある程度行けちゃう。3枚目の京都の写真も手持ちで許容範囲。3.5のElmarじゃこうはいかない。

「今日行くの室内だな〜」なんて時はこっち選んじゃう。

これだけ写るのに沈胴して割りとコンパクト。しかも今や5万切りで買えるんだからヤバイ(語彙力の欠如)

 

 

結論

 

どっちも大好きしゅきしゅき〜♡ なのでここはゆとり世代らしくみんな一等賞と言いたいところではある。

ところではあるが、「旅に持っていく1本」として選ぶなら私は迷いに迷った結果Elmarを選ぶだろう。

 

どちらともよく映る。ほんとに。

Summicronの方がよく写る度は上だと思う。解像度やコントラストその他もろもろを合わせてのよく写る度である。ボケも絶妙だし。

 

 

だけどあまりに写りすぎる。

たまに「あれっ?これM8で撮ったんだっけ?」みたいな強烈な写真ができあがってくる。

 

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これなんてただのカラーネガなのに、ただのフジのスーペリア200なのにサムネサイズで見るとデジカメで撮ったと言われれば分からない。

写りすぎて怒られるなんてライツからすればどうすりゃいいんだって感じだろうが、やっぱりちょっと too much である。

別に私はいか焼き250円を綺麗に写したかったわけじゃなくて、ただなんとなく正月のお初天神のざわざわ感が撮りたかっただけなのだ。

ズミクロンは空気まで写すなんて言われているが、ここまで写ってしまうと撮影者の力量まで如実に写してしまう。

私はこれをデジカメ現象と呼んでいたのだが、写りに遊びがないとクソ写真をクソ写真のまま写してしまう。

はあ…下手くそね…なんて歯に衣着せぬ物言いのクールビューティである。

現実は残酷。

 

それに対してElmarは絶妙に写りすぎていない。

旅の思い出を絵のように残してくれる。いいところだけ。

絶妙な遊びが撮影者に「もしかしてオレの写真ってちょっとアーティスティックなんじゃね?」なんて甘い夢を見せてくれる。

見せなくていいものはいい塩梅で写さない。

あなたはキレイなものだけを見ていていいのよウフフ…みたいな包容力を感じる。

 

真剣に写真に向き合ってぶつかっていく硬派な人間には全てをシビアに写してくれる方がいいだろうが、私のような現代人代表の豆腐メンタルの軟弱者には多少のバブみが必要なのである。

世界に誇るライカの偉業に対し、敬意を払って実にキモオタらしい気色悪い感想を持って真摯に答えたわけだがこれが私が直感的に感じたものである。

その時に感じた良い気持ちを残したいのであって全てを写してほしいわけではないのだ。

特に旅に於いては綺麗な思い出だけを持って帰りたいではないか。

 

あとこれは物理的な形状の問題だが、両方とも沈胴ながらElmarの方がだいぶ深く沈胴できるので持ち運びの際のコンパクトさもこちらに軍配が上がる。

冬場はコートやジャケットの中にカメラをたすき掛けにして持ち運んでいるため、2cm程度の膨らみがかなりの差を生む。重量も軽い。

 

皆さんはどちら派であろうか。

何度も言うが、私が持ってる中でこの2本は最高のレンズだ。これから買う人はどちらを買っても絶対に後悔しない。

あ、でも状態の良いものを選ばないと後悔するかも。

ちょっと遊ぶレンズというより一生モノで後生大切にするタイプのレンズだからね。

たぶん両方とも一番安くて状態の良いものが日本に集まっていると思われるのでせっかく日本に住んでるなら是非買うべきですよ。

 

さあ皆もエルマーorズミクロンしゅきしゅき♡マンになろう。

さあ行こうお近くのカメラ店へ。